dyslexiaから考えた

dyslexiaの勉強をしていると考えがたくさん出てきてまとまらなくなるので、ここにメモしています。

脳は外の世界を正しく捉えることができるか?(wikipedia 脳の中のこびと(ホムンクルス)より)

7.脳は外の世界を正しく捉えることができるか?

 脳は一定の設計思想に基づいて作られた「機械」ではなく、進化の産物である。生まれながらの脳は外の世界を認知する能力を持たず、外の世界との相互作用によってはじめて、脳は情報処理装置としての性能をチューニングする。例えば、視覚システムでは視野の中で隣合う場所が脳内でも隣合うように配線された規則性、左眼と右眼からの情報の規則的分布、さらに方位選択性細胞や色選択性細胞の規則的分布などの規則性を持っている。しかし、その一方で、外の世界を上下・左右の逆さに網膜に映し出す。中継点である外側膝状体では、左右の視野は完全に分離する。また、外の世界は視野中心では細かく、視野周辺では大雑把に投影される。さらに、外の世界はいくつもの視覚野に繰り返しマップされる。こうした歪んだシステムを用いながら、われわれは、日常的に現実の世界と脳の中の世界にギャップを感じない。これは、脳が外界に働きかける過程で、外の世界に矛盾しない世界を脳内に作り上げる能力を持っているからである。言い換えれば、脳の中の「世界」は、脳が環境に働きかけ、環境の中で動きまわり、環境と相互作用する中でつくられるものである。我々の脳のこのような柔軟性により、新しく与えられる環境にも適応できる。逆転メガネの実験はこうした脳の適応力を端的に示していた。